通訳ガイドが初めてのお仕事を得る方法

この記事では、通訳ガイドが初めてのお仕事を得る方法を説明します。言い換えれば、通訳ガイドとしてデビューする方法ということになります。昨今の訪日外国人観光ブームにより、通訳ガイドという仕事、またその資格について認知度が上がり、通訳案内士の資格保持者も増えました。資格を取るところまでは、インターネットに情報はありますし、専門の予備校もあるので、ある意味で情報は出尽くされた感があります。しかし、資格を取得してから実際にこの仕事を始める方法については、あまり知られていません。この記事では、そんな疑問に答えられるように情報を提供します。ちなみに「初めての仕事を得る」としましたが、この記事の情報は2回目以降の仕事を得る方法とも何ら変わりはありません。

目次
1.旅行会社から仕事をもらう
a. 旅行会社に営業する
b.ガイド団体や派遣会社を通して旅行会社の仕事をもらう
a2.自分でツアーを企画する
b.仲介サイトを使わない
a.仲介サイトを使う
3.人づてに仕事をもらう
まとめ

1.旅行会社から仕事をもらう

まずは旅行会社から仕事をもらって仕事をすることについて説明します。
通訳ガイドの仕事とは、訪日外国人のお客さんを案内することです。訪日外国人が、誰かが企画した旅行に申し込まなければ、通訳ガイドの仕事はありません。旅行をを企画する人の代表的な例は、当然、旅行会社ですね。大手、中小、ベンチャー問わず様々な旅行会社が日々、自社のツアーを企画して販売しています。
通訳ガイドは、旅行会社に雇われて、お客さんを案内する部分の仕事を担当することになります。正社員のガイドを雇っている旅行会社というのはあまりありませんので、通訳ガイドは個人事業主となり、業務委託の形で案件1つずつを受託します。

1-a 旅行会社に営業する

旅行会社から仕事を得るには、旅行会社に営業する必要があります。旅行会社はホームページで「通訳ガイド募集」などと出しているため、その窓口にメールを送って応募します。ただ、ホームページに窓口を設けていないこともたくさんあります。その場合は、後述する別のルートで仕事を得てから旅行会社の担当者に連絡を取って営業したりします。
旅行会社に直接営業する方法は、間に通訳ガイド団体や派遣会社を通さないので中間マージンを取られないので、理想の方法です。通訳ガイドとしてデビューしたい人は、このルートを目指すと良いと思います。基本的に英語の通訳ガイドは供給が需要を上回る空前の買い手市場ですので仕事を得るのが難しいのですが、意外と旅行会社の窓口は開かれていたりしますので、諦めないことが大事です。

1-b. 通訳ガイド団体や派遣会社を通して仕事をもらう

次の方法は、通訳ガイド団体や派遣会社を通して仕事をもらうという方法です。
この業界には、通訳ガイド団体というものがあります。詳しくは別の記事で説明しますが、新人ガイドが仕事を得る時の大半のケースで、この通訳ガイド団体が利用されます。
仕事を得るまでの手順としては、まずガイド団体に登録し、新人研修というものに参加します。この研修では、通訳ガイドの仕事がどのようなものなのか、現場でのデモンストレーションを交えて学ぶことができます。通訳案内士試験と、実際の業務のギャップを埋める役に立つでしょう。
団体にもよりますが、研修の中で、参加者の実力を見ている団体もあります。デビューさせて良いか、見ているわけです。なので、研修生が実技をするシーンがある場合は頑張ってアピールするのが良いでしょう。研修講師や、事務局の人が仕事を回してくれる人と同じ、という団体もありますので、是非、名刺を作ってから新人研修に参加すべきですね。名刺はシンプルなもので良いので。
通訳ガイド団体の他にも、人材派遣会社を通して仕事をもらうという方法もあります。「通訳ガイド 派遣」とかでGoogle検索すれば簡単に募集している会社が出てきます。
派遣会社は、旅行会社からガイドの仕事を受注します。それから、会社に所属しているガイドを旅行会社に派遣します。旅行会社から直接仕事をもらうよりも、関わっている人が多いので中間マージンが取られます。
ガイド団体を通す方法も派遣会社を通す方法も、それぞれに仲介してもらっているわけですから、中間マージンが取られます。それでも、登録しないよりした方が初めの一歩を踏み出すチャンスは得やすくなるので、どうしても早急にガイドとしてデビューしたかったら、それらを利用して仕事をもらうのが良いでしょう。

2.自分でツアーを企画する

以上は、旅行会社が企画した仕事を受託する方法でした。次に述べるのは、それ以外の仕事を得る方法、すなわち自分でツアーを企画する方法です。

2-a. 仲介サイトを使わない

自分でツアーを企画して、お客さんを捕まえることができれば、誰かから仕事をもらう必要はありません。まあお客さんからもらっていることにはなるわけですが。
代表的な例は、自分でホームページを立ち上げて募集することです。誰からも中間マージンを取られることなく、自分で企画したツアーや、お客さんの要望に沿ったツアーを提供します。単純明快ですね。
その際、注意点が2つあります。1つ目はそのサービスが旅行業になってしまうか、という点です。旅行業というものが法律で定義されており、それをするには旅行業者としての登録が必要になります。
旅行業の代表的なものは、宿や交通手段を手配する業務になります。厳密に言うともっと色々あるんですが、ここでは話を単純にするためにそうしておきます。つまり、旅行業として登録をせずに、通訳ガイドとしてサービスを提供しようとすると、お客さんに電車やホテルの予約をしてあげることはできません。あくまでお客さんがホテルの予約をし、交通手段は、電車ならお客さんが予め買うか、お客さんと同行して一緒に席を予約する必要があります。旅行業として登録すればそれらの手配をすることもできるのですが、登録するのはなかなかハードルが高いので、手軽に始められるスモールビジネスではなくなってしまいます。
もう1つの注意点は、自分でお客さんを探すのはとても難しいということです。ホームページを開設すること自体は簡単ですが、潜在的なお客さんに自分のホームページを見てもらうのは難しいです。Googleの検索結果に自分のサイトが表示されるようにするのは、専門用語で言うとSEOという技術が必要になります。かなり地道な作業の末にようやく、お客さんに見てもらえるサイトができます。そのデメリットを補完サービスが、次に述べる仲介サイトになります。

2-b. 仲介サイトを使う

最近は、自分で企画したツアーを、仲介してくれるサイトに掲載してツアーを販売することができます。その際のメリットは、専門の業者が作ったサイトに載せられるので、そのサイトの集客力は強く、掲載したツアーも多くのお客さんの目に触れることになり、お客さんを得やすいということです。デメリットは、そこで売れたツアーは、そういったサイトに仲介手数料を払わなくてはならないということです。売れたツアー代金の3割ぐらいが相場になっています。なるべくならば仲介手数料は払いたくありませんが、どんなツアーの需要があるのかということを手軽に市場に問うことができるので、マーケティングの練習としては最適だと思います。

3.人づてに仕事をもらう

この業界は人と人の繋がりで回っている側面があり、仲間同士の掲示板などで「〇月×日に空いてる人は居ませんか?」という呼びかけをよく見かけます。このように、仕事を依頼されたけど、自分は行けないのでガイド仲間に紹介することがよくあります。もちろん直接メールやLINEなどで直接頼まれることもあります。こういう人づての紹介で仕事に結びつくことは、決して珍しくありません。普通によくあることです。仲間同士で信頼されていないと仕事は紹介してもらえませんから、普段からガイド仲間とも良好な関係を構築しておく必要があります。今回の記事のテーマは初めての仕事を得る方法ですので、仕事の実績が無いことが前提なのですが、こういう形でデビューを飾ることになることも、割とよくあるのではないかと思います。

まとめ

新人ガイドが仕事を得る方法は、以上述べてきた通りです(新人に限りませんが)。まとめると、やはり中間マージンが取られないのが理想なので、旅行会社に直接営業して仕事をもらうことが理想ですが、なかなかそれではデビューに結びつかないこともあると思いますので、早急にデビューする必要がある場合はガイド団体を通すこともやむを得ないでしょう。自分でツアーを企画するルートについては、旅行会社の案件と同時並行で企画することができますので、自分でやりたい人は同時にやると良いですね。
新人としてデビューすることに関する情報は、こちらの本が詳しいので、是非参考にしてみてください。

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