通訳案内士は喰えない資格なのか

2018年から通訳案内士という資格は業務独占でなくなり、資格を保持していなくても通訳ガイドの仕事をすることができるようになりました。しかし、依然として語学系では唯一の国家資格です。英検やTOEICは資格じゃなくて検定ですからね。

語学系唯一の国家資格と言うと聞こえが良いですが、この資格は一部で「喰えない資格」であることが公然の事実となっております。喰えないとは、即ち、生活に十分なほどのお金を稼げない資格ということです。実際にはこの仕事で生計を立てている人はたくさん居るので、喰えないと言うのは言い過ぎです。というか、喰えてる人と喰えてない人が居るので、この資格をもってどちらだと割り切れるようなものではありません。この記事では、実際に通訳案内士として就業している私の視点から、この資格は本当に喰えない資格なのかを考えてみようと思います。

なぜ喰えない資格だと言われるかと言うと、この資格を管轄している観光庁が行った調査で明らかになった収入の実態が元になっています。

通訳案内士の就業実態等について(平成26年12月)

最も重要なポイントは通訳ガイドとしての年収は200万円以下が約5割というデータです。年収200万円以下では、生計を成り立たせるのは厳しいですね。ただ、このデータを見る時には、注意しなければならないことがあります。

それは、そもそもその人達が、フルタイムで通訳案内士の仕事をしようとしている人なのかということです。これは私の感覚的な話なのですが、通訳案内士をしている人は、年金生活者や、主婦の方が多い印象があります。あと、このデータは通訳案内士の仕事が、何か他の仕事の副業になっているケースも含まれています。専業の人と、そもそもパートタイムでやりたい人を一緒くたに比べているから、こういうデータが出てしまうんですね。

とはいえ、フルタイムでやる気のある人がみんな喰えているかと言うと、全くもってそんなことはありません。年収200万以下が半数というのは、結果としてパートタイムになってしまっている人がたくさんいるからです。

かく言う私も、全く喰えていません(笑)初年度は貯金を使って生活してましたし、2年目は仕事も収入も増えましたが生活はほぼトントンです。私の1年目の例で言うと、ガイドとしての就業日数は30日程度しかありませんでした。他の日は、ガイド技術や、英語の勉強をしていました。日当は、会社や担当する業務によって幅があるのですが、1日働いたらだいたい2万円ぐらいでしたので(新人の料金がこれぐらいです)、年収100万も全然到達しませんね。私の仕事が少なかった理由は、田舎に住んでいたということもあります。やはり仕事は東京、京都に集中しますね。東京でしたら、お客様のお迎えなど新人向きの仕事などもあるので、稼働日数はかなり増やしやすいです。

1年目の私はとても喰えるような状況ではありませんでしたが、実際にこの仕事でどれくらい稼げるのかは、かなり人によります。実力があって、尚且つ営業も上手い人は、年収600万ぐらいはある印象がありますね。年収600万と言っても、サラリーマンとは就労形態が違うので、長期の休み等があって、サラリーマンより自由を感じられると思います。

まとめ

通訳ガイドが食えない資格と言われるのは、政府の行った調査で、通訳ガイドの約5割が年収200万円以下であることが公然の事実となったからです。しかし実際にこの仕事でどれくらい稼げるかは人によります。なので、どうやったら稼げるようになるのかを考えることが大事ですね。その方法については、別の記事で書きます。

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