二次試験は逐次通訳、スピーチ、質疑応答の3パートに分かれており、今回の記事では逐次通訳の対策について書きます。
逐次通訳の試験は、2,3センテンスの日本語を日本人試験管から読み上げられ、それを受験言語(私の場合は英語)に翻訳して口頭で回答する試験です。センテンスは日本文化に関係のある事柄です。日本語は紙と鉛筆でメモを取ることが許されています。
訳す練習
当然ながら、日本語を英語に訳す練習をしました。それを、日本語で書かれた文章を英語に訳して書くという方法で行いました。使ったテキストはこちらです。
英語で説明する日本の文化 必須表現グループ100
通訳案内士試験対策のための、英語で日本文化を説明した本は実は多数出版されています。歌舞伎や茶道など、項目ごとの基本的な知識はそれで学習した方が良いのですが、この本は違った切り口で書かれており、特にこの逐次通訳の試験で絶大な効果を発揮します。
タイトルの通り、日本文化を英語で説明する時によく使う英語表現を頻度順に並べて説明しているのです。is famous for とか、is located とか、料理を説明する時に必須のtopped with とか、この試験の回答をする時によく使う、名詞以外の部分を効率よく学べます。儒教=confucianism とかあんこ=sweat been jam とか個々の単語を覚えることは大事ですが、説明するための表現の方が使用頻度は高いので、どんな問題にも対応できる英語を身につけるならば名詞以外の表現の方が大事です。
また、それらの表現は、日本文化の説明に偏った表現ではないので、純粋に英語の重要語彙を習得できます。二次試験のスピーチで役に立ちますし、更にはTOEICなど他の試験で使う英語力も上がります。
私はこの本の例文全てを、英語部分を隠し、日本語→英語に訳してノートに自分の英作文を書いていきました。分からなくても、無理やり自分なりの表現で書きました。当然、模範解答通りに書いたものはほぼありませんので、かなりの直しが必要です。違いすぎる時は、正解の英文を書き写しました。
幸いにもこの本は音声CD付きなので、聞きながら音読、即ちオーバーラッピングも行いました。私は英作文に時間を割きましたが、もっと徹底的に音読するのもアリかもしれません。
日本語をメモする練習
この出題では、英語力もさることながら、聞き取った日本語を素早くメモする能力も非常に重要です。そのための練習もした方が良いでしょう。
誰かに日本語をしゃべってもらって、それを紙に書くというのも良いですが、日中に事務系の仕事をしている人なら、もっと良い方法があります。それは
電話でのお客さんの発言内容をメモ帳に書き写す
ことです。私は一日に10件ぐらいは不特定多数のお客さんから電話を受ける仕事をしていましたので、試験前はこっそり、凄い勢いで相手の発言内容を卓上のメモ帳に書き写していました。普通に要件を聞くだけだったらメモする必要がないお客さんの雑談なども、この試験に備えるために、書きまくりました。電話なので相手に見えず、失礼に当たらないのがミソです。
お客さんは早口だったり、滑舌が悪いのに対し、試験本番はゆっくりと分かりやすく問題文を読んでもらえますから、ハッキリ言ってお客さんの会話を書き取る方が難しいです。これは良いトレーニングでした。
またこのトレーニングの中で、助詞など、機能語を省いて必要なことだけをメモするというテクニックを身につけました。例えば
徳川家康は江戸幕府を開きました。
が出題文なら
いえやす 江戸バクフ 開
などとメモします。全てひらがなに統一しないのは、場合によっては漢字の方が先に思い浮かぶからです。勢いで最初に浮かんだ文字を書いていきます。このメモを元に、英語訳を構成していきます。
うちの会社では電話は取れば自分の仕事が増えるだけなので、ハッキリ言って取るだけ損なシステムです。なので私は普段は電話を取るのが大嫌いなのですが、この時期だけはトレーニングのために積極的に電話を取っていました。
忙しい社会人の方は是非このトレーニング方法を採用してみてください!